或る列車
もう先月のことになりますが、JR九州の観光列車「或る列車」に乗る機会がありましたので、感想など書いてみようと思います。JR九州のHPからネット予約し、出発の1週間ほど前に旅行関連の書類が自宅に郵送されてきました。この中の或る列車というクリアファイル(写真右下)が乗車券代わりとなります。出発当日のJR博多駅の電光掲示板には「団体列車」或る列車と表示され午前9時5番ホームからの出発ですが、先ほどのクリアファイルを有人改札の駅員さんに見せて入場しました。定刻の15分前に或る列車はやってきました。ピカピカのゴールドの車体はとても目立ちますし、乗降口にはレッドカーペットが敷かれ豪華な雰囲気を醸し出していました。或る列車はデビュー当時は様々なスイーツをコースで提供する列車だったので、今でも車体には「SWEET TRAIN」と書かれていますが、昨年からは提供内容をデザート多めのコース料理に変更して運行されています。今回予約したのは2号車個室です。1号車のほうはオリエント急行の食堂車か?というくらい豪華なのですが、テーブル席なので人混みは避けようと静かな個室にしました。乗車後、記念乗車証をもらいました。ドリンクメニューはすべておかわり自由なのですが、マンボウ期間のため(メニューにはあるものの)アルコール類は提供されず残念でした。閑話休題、コース提供前に久大本線沿線のお水の味比べということで、日田、玖珠、九重、由布の4種類の水がサーブされ利き酒ならぬ利き水を勧められました。私が気に入ったのは口当たりがとても優しい九重町宝泉寺の温泉水でした。
シャンパン(ノンアルコールです)で乾杯後、コース料理がサーブされました。前菜は車海老、みつせ鶏、根菜類のサラダ仕立てでした。柚子と黒酢の香りがマッチして美味しくいただきました。スープは、とらふぐ、ヒオウギ貝、ムール貝に鰹節の出汁をテーブルで注いでくれました。様々な海の幸のエキスが混じり合い、今回もっとも気に入った一皿でヒオウギ貝の貝殻の彩りもあざやかでした。メインの黒毛和牛イチボのステーキはとても柔らかく旨味たっぷりでした。ここまでで列車は筑後吉井駅に停車し駅ホームを散策させてもらい乗務員さんに写真を撮ってもらったりして過ごしました。車内には大川組子やステンドグラスが贅沢に使われていました。博多駅を出発してすでに2時間経過していますが、ともかくノンビリとした列車の旅でした。駅ですれ違う「ゆふいんの森号」に向かって或る列車の乗務員さん達が手を振っていました。これもJR九州のサービスなのでしょう。そして、或る列車も再出発しました。最初のスイーツはウィスキーで香り付けしたモンブランです。最後のスイーツ(ミニャルディーズというそうです)は、キウイのタルト、りんご飴、苺のミニショートケーキでした。そうこうしているうちに伐株山(きりかぶさん)が見えてきました。ここ玖珠盆地にはテーブル状台地(メサ)が多く、伐株山の手前にもやや低いメサが見えました。豊後森駅で小休止です。伐株山と或る列車を一緒に撮ってみました。ホームからは旧)豊後森機関庫が見えています。登録有形文化財でSLも展示されています。約4時間かけて終点のJR由布院駅に到着しました。当日は天気が良く由布岳もきれいに見えました。この後、普通列車に乗り継いで大分駅に向かいました。途中で「ななつ星」とすれ違ったり、すっかり鉄道マニアの旅となりました。大分駅は新しい駅ビルが完成し併設されている高層ホテルに宿泊しましたが、客室にも大川組子があしらわれておりJR九州の力の入れようが感じられました。
ここまでお読みいただきありがとうございました。